1.外国人労働者受け入れの現状
2.外国人雇用のメリット
2-1.人手不足の解消につながる
2-2.専門知識・スキルを持つ人材が見つかる
2-3.海外進出が目指しやすい
2-4.従業員同士のコミュニケーションが活性化する
2-5.新しい発想やアイデアを生み出せる
2-6.社内のグローバル化ができる
3.外国人雇用のデメリット
3-1.在留資格などの手続きが面倒
3-2.働き始めるまでに時間がかかる
3-3.価値観の不一致が生じることがある
4.外国人を雇用する際の注意点
4-1.在留資格の確認が必須!
4-2.求人票を明確にする
4-3.労働基準法は外国人にも適用される
4-4.外国人差別がないよう従業員への理解を深める
5. まとめ
国内で外国人を雇用する企業は増え続けていますが、なかなか一歩踏み出せないという経営者の方も多いのではないでしょうか。外国人を雇用することで得られるメリットが多いことも事実です。ここでは、外国人雇用のメリットとデメリット、雇用する際の注意点などを紹介しています。外国人雇用に興味がある、検討しているが、不安があるという方もぜひ最後まで目を通してみてください。
日本では国内の少子高齢化による人手不足への対策として、有能な技術を持つ外国人労働者の受け入れを積極的に進めています。
実際に外国人労働者の数は毎年増加傾向で、2021年10月の調査結果によれば、国内の外国人労働者は約172万人ほどで過去最高になっています。
日本国内では群馬県が外国人労働者の割合が多く、国籍別に見ると、ベトナム、中国、フィリピンの順に多いという結果が出ています。また職業別のデータを見ると、製造業において外国人労働者の雇用が最も多いことがわかります。また宿泊・飲食業や介護・看護業において、今後受け入れを検討している企業が増加しており、外国人の雇用ニーズが高まっていると言えるでしょう。
このように外国人労働者の数は増え続けている一方で、日本での雇用に関する知識不足や言葉や文化の違いなどから、法令違反や労働条件などのトラブルが起こりやすいことが問題視されているのが現状です。そのため、外国人が安心して適正な労働環境下で働けることと同時に、外国人労働者を雇う企業側が適切な雇用管理ができるよう双方の支援に力を入れています。
参照元:厚生労働省「外国人労働者の現状」、厚生労働省「第8回外国人雇用対策の在り方に関する検討会 議事録」、佐賀労働局職業安定部「外国人労働者をめぐる現状と課題」
外国人を雇用するとなると、なかなか一歩踏み出せない企業が多いかもしれません。しかし外国人を雇用することは、企業にとっても以下のように、メリットが多いのも事実です。
【外国人を雇用するメリット】
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それぞれについて、詳しく解説します。
中小企業の経営者向けのアンケートでは、全業種において70%を超える企業が人手不足を感じているという結果も出ており、早急な対策が必要とされています。
しかし、日本の産業における人手不足は少子高齢化が大きな要因の一つで、簡単には解決できない問題です。物理的に労働者の人数を増やす、すなわち外国人労働者を企業の戦力として雇用することが、最も現実的で即効性のある対策であるといえます。
また外国人労働者は、都会で働きたい日本人と比較して、地方への偏見が少ないので地方の人手不足解消にもつながるでしょう。
参照元:独立行政法人 中小企業基盤整備機構「中小企業アンケート調査報告」、内閣府「人手不足感の地域ごとのばらつき」
とくに日本で働きたいと考えている外国人は、世界でも難しい言語であると言われる日本語を学んでおり、学習意欲が高い傾向があります。
日本国内ではエンジニアが不足しており、少子化と高齢化によって新しい技術や専門スキルを持つ人材の確保が難しい現状があります。こうした問題は、若く学習意欲の高い外国人を採用することで埋めることができるでしょう。
外国人には英語や日本語以外の言葉を話せるマルチリンガルの人も多いです。例えば国籍別に労働者の数を見た場合、ベトナムや中国、フィリピンまたブラジルなども多いですが、彼らはベトナム語、中国語、タガログ語、ポルトガル語なども話すことができるでしょう。このように対応できる言語が増えることでビジネスチャンスの幅も広がります。
現地の法律や習慣、言葉などが大きな壁となることが多いですが、現地をよく知っている従業員がいるとスムーズに進めることができるでしょう。
いくら日本語や日本文化について学習している人材であっても、文化や価値観の違いによって意思疎通がうまくいかないことは起こり得ることです。これらを補うために日本人の従業員は普段より細かな指示をしたり、説明を丁寧に行うことが必要になるため、日常生活でコミュニケーションスキルが必然的にアップするでしょう。
文化、人種、宗教などいろいろな価値観、多角的な視点から物事へアプローチができるため、日本人の常識では思いつかないような斬新なアイデアや発想を生み出しやすいでしょう。
いくら日本語を学習している外国人を雇うと言っても、働きながら徐々に上達していくもので、細かなニュアンスや言葉が伝わりきらないこともあります。言語の壁をなくす努力を外国人労働者のみに押し付けるのではなく、社内の従業員も英語や他言語を積極的に学ぶ必要があります。仕事を円滑に進めるためにも、自然と英語を使う機会が増えていくでしょう。
社内をグローバル化しておけば、訪日外国人への多言語対応などもできるようになる、ビジネスチャンスにもつながりやすくなります。現在はコロナの関係で旅行者は少ないですが、日本への訪日外国人は増加し続ける見込みであるため、社内をグローバル化するいい機会にもなるでしょう。
外国人雇用にはメリットが多いですが、気をつけた方がいい点もあります。
以下の点がデメリットになりうることを理解したうえで対策をたてることで、スムーズに安心して進めることができますよ。
【外国人を雇用するデメリット】
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それぞれの点について紹介していきます。
外国人を雇用する場合は、日本人とまったく同じ手続きで雇用することはできません。外国人労働者だからこそ発生する手続きや就労ルールがあるため、しっかり理解しておく必要があります。
日本に滞在する外国人が必ず持っている在留資格には多くの種類があり、在留資格の種類によっては働くことができない、また就くことができない職種があります。これらに違反すると、企業が把握していなかったとしても罰せられるケースもあるのです。ただし手続きが不安な場合は、外国人雇用に詳しい行政書士や政府認定登録支援機関であるBrave JAPANに相談したり、委託することでスムーズに進められるでしょう。
国外に住んでいる外国人を採用する場合は、ビザの申請・発行や渡航まで時間がかかるため、雇用を開始したい時期が明確にあるのであれば、余裕を見て早めに取り掛かるようにしましょう。基本的にビザの審査期間は長くて3ヶ月といわれています。また日本在住の外国人であっても、在留資格によってはビザ変更手続きなどが必要なケースもあるので、注意しましょう。
日本にすでに住んでいる外国人の方が日本に少しでも慣れ親しんでいるメリットはありますが、現地採用の方が圧倒的に母数が多く、有能な人材が見つかる可能性も高いです。
できるだけスムーズに手続きを進めたいのであれば、政府認定登録支援機関であるBrave JAPANなどのサービスを利用するといいでしょう。
日本では暗黙の了解でみんなが認識しているような内容であっても、外国人にとっては必ずしもそうであるとは限りません。
説明不足や意思疎通が十分にできないことから、期待通りの結果にならないこともあるかもしれません。
例えば、日本は上司よりも先に退社しにくい、定時に帰りにくい風潮がある会社もありますが、海外には私生活を最優先し定時と同時に退社することが当たり前の国もあります。
言葉においても日本のようにさまざまな敬語や謙譲語がある言語は少なく、一見失礼な言い回しで発言してしまうといったこともあるかもしれません。また飲酒運転など国によっては厳しい取り締まりがなく、悪気はなくとも法に触れる可能性もあるでしょう。
そのため日本での基本的なマナーを教育する機会を作ったり、社内でのルールを整備し直して外国人・日本人双方にとって働きやすい環境を整えることが必要でしょう。
Brave JAPANでは外国人労働者の生活サポート事業も行なっているため、基本的な生活指導や身の回りのサポート、メンタルサポートまで一括して任せることができます。
外国人を雇用する際に気を付けるべきポイントについて紹介します。
在留資格によっては就労が許されていないものがあったり、働ける職種が限定されているものがあります。これらに違反して雇用してしまうと、労働者だけでなく企業側も罰せられることになるため注意が必要です。
【就労が認められていないビザの例】
※ただし資格外活動許可を受けた場合は一定範囲内で就労が可能 |
また現地の外国人を雇用する場合は、在留資格申請の要件に該当しているかどうか確認しましょう。誰でも採用できるわけではなく、雇用しようとしている外国人が保持しているスキルなどによってはビザがおりないこともあります。
参照元:厚生労働省「外国人の雇用」
日本では物事をぼかす曖昧な表現が多く、それを美徳とする文化がある一方で、外国人にとってはあいまいなコミュニケーションや表現は大きな負担になります。例えば求人票に、「応相談」や「規定に準ずる」など、具体的な内容がわからない表現では誤解を招く可能性があります。ミスマッチによる離職や思った人材ではなかったというズレを防止するためにも、明確な内容を記載するように意識しましょう。
外国人労働者と聞くと安い賃金で雇えるとイメージする人もいるかもしれませんが、労働基準法は外国人にも適用され、最低賃金も確保されます。また外国人だからという理由で給与を安く設定することはできません。
労働基準法だけでなく、各種社会保険等も日本人と同様の仕組みが適用されることは理解しておきましょう。
外国人差別が起こらないように、従業員の理解を深めることは、外国人を雇用する上で非常に大切なポイントです。一部では外国人がいじめや差別を受けるといった問題が、残念ながらあります。
宗教上の行為を制限したり、言葉が通じないために暴力で指導することは人権侵害にあたります。このほか文化の違いからくる価値観などがあることを理解し、日本人と外国人双方の労働者が納得できるように、労働環境を改善したり、理解を深めるための教育や指導などを行うといいでしょう。
人手不足や海外進出などさまざまな理由から、外国人雇用を進める企業はこれからも増加が見込まれています。外国人を雇用することで得られるメリットは多く、外国人の雇用制度やルールを正しく理解し雇用できれば、会社の成長にも大きな役割を果たすでしょう。ただし外国人労働者ならではの注意点もあるため、しっかり把握し体制を整えることが重要です。外国人雇用が初めてで右も左もわからない!という場合は、政府認定登録支援機関であるBrave JAPANにご相談ください。
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